取引所が新業界団体を設立して合併 自主規制ルール制定に進展 (その1)

取引所が新業界団体設立

ライターの結城です

日経新聞ロイターなどの報道によりますと、仮想通貨関連業界団体のうち、主要な団体である日本ブロックチェーン協会(JBA)日本仮想通貨事業者協会(JCBA)が合併に向けて本格協議に入ったようです。

JBAもこの報道に関して2月16日に自社サイトで肯定的なコメントを掲載しました。JBAのコメントには「当協会(JBAのこと)は、顧客保護と業界の発展のために、JCBAとの統合に関して誠実に協議をしており、進展があることも事実ではありますが、統合の時期等も含め、具体的に決定した事実はございません」と書かれており、どうやら合併に向けた動きがあることは事実のようです。


仮想通貨関連団体と金融庁の動き

仮想通貨取引所やブロックチェーンなどの関連業界には、これらの企業によって構成される業界団体が4つあり、互いに連携が取れていませんでした。しかし、取引所の不祥事などによる信用の失墜や、金融庁の規制強化などを受けて業界内で、とりわけ取引所を運営する企業間で危機感が高まり、合併を模索することになったものと思われます。

昨年10月、金融庁はICOに関して注意喚起のための文書を発表しました。また、同庁はそれと並行して業界団体に対して自主規制ルール制定を促していたのですが、仮想通貨の業界団体は分裂した状態であり、自浄作用が機能しませんでした。しかし、先月にコインチェックのXEM(NEM)流出事件が起こったことにより、世間の仮想通貨取引に対する目が一気に厳しくなりました。それだけではなく、同事件を受けて自民党のIT戦略特命委員会とフィンテック推進議員連盟が金融庁や業界団体に対してヒアリングを行うなどの動きを見せました。

こうした急激な世論の変化に危機感を覚えた業界団体はようやく重い腰を上げ、合併に向けて前向きな協議を始めたのでしょう。

取引所運営企業とその他の関連企業との温度差

しかし、JBAには取引所だけで無くブロックチェーン技術を研究している企業や、周辺ソフトウェアを開発している企業なども多数加入しています。 これらの企業にとっては取引所の自主規制基準作成のためにJBCAと合併するのは意味の無いことです。 従って今回はJBAとJCBAに加盟している企業のうち、取引所だけがあつまって取引所の業界団体を新たに作ろうという流れになりつつあるようです。

いずれにせよ、法整備やコンセンサスの形成が遅れていた仮想通貨業界に、一定の秩序や自浄作用が生まれることは歓迎すべきことです。

次回は、現在主に3つに分かれている仮想通貨関連の業界団体に関して説明します。