SBIの新たな仮想通貨取引所は今夏オープン

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日本の仮想通貨取引所の健全化に期待

 

ライターの結城です

日刊工業新聞が報じたところによりますと、SBIバーチャル・カレンシーズが開業準備を進めている仮想通貨の取引所が2018年夏ごろ開業されるようです。


 

新取引所の開設準備は順調

 日刊工業新聞によりますと、SBIホールディングス(SBI HD)の100%子会社である、SBIバーチャル・カレンシーズ(SBI VC)が開設を目指している新たな仮想通貨取引所は、取引開始が夏まで延期されるようです。従来、SBI VCは取引所の開設を今年2月としていましたが、予定よりだいぶ遅れるようです。なお、この新取引所で開業時に取り扱われる予定の通貨は、ビットコイン(BTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)、イーサリアム(ETH)、リップル(XRP)となる予定であるとも報じられています。

 SBI HD自らも第3四半期決算説明会(1月30日)で取引所の開設について言及しましたが、SBI VCがXRPの試験的販売を開始したとだけ発表しました。先ずはSBIの自社社員や開発関係者などにXRPの売買をさせてシステムの試験を行っているようです。正式な開業日については、金融庁や今年3月に開かれるG20の動向などを踏まえて決定するとしています。

 


世界の期待を集めるSBI VCの新取引所

 SBIグループは総合金融サービスを展開する日本の大手企業です。銀行、証券、保険と、あらゆる金融サービスを展開する日本有数の大企業であり、平成29年3月期の連結売上は2619億円、当期純利益283億円を計上している優良企業です。SBI VCはSBIホールディングスの100%子会社であり、そのSBI VCが手がける仮想通貨取引所は、現在日本国内で仮想通貨取引所を運営している他の企業とは一線を画する存在です。

ビットコインの暴落や、CoinCheckのXEM(NEM)不正引出し事件などで、仮想通貨市場や仮想通貨に対する世間の目は非常に厳しく、また金融庁も監視や規制強化を進めています。 このような厳しい市況の中にあって、SBI VCの新取引所開設は日本の仮想通貨取引所の信頼回復に大きく貢献することでしょう。また、仮想通貨市場のシステム及び、ブロックチェーン技術の発展に対する役割も、非常に大きなものになると予想されます。

 


RippleとSBIとの提携

 SBIグループが、Ripple Inc.と強い提携関係にあることは周知の事実です。SBIはRipple社の株式の11%を保有していますし、SBIホールディングスの北尾会長は度々Rippleのシステムの優秀性について言及しています。自ら銀行(住信SBIネット銀行)を運営するSBIグループが、Rippleのシステムを取り入れれば、既存の銀行業に革命を起こす可能性があります。(過去記事:リップルとは 参照
しかし、SBIはリップルのシステムに興味は示していても、仮想通貨としてのリップルにはそれほど興味を示していないのではないかとも言われています。なぜなら、SBIは独自通貨「Sコイン」を発行しようとしているからです。リップルシステムは通貨のリップル(XRP)を利用することを前提に作られたシステムですが、SBIがリップルのシステムを銀行業に利用するのであれば、通貨もXRPを用いるのが最適です。一方で、それではXRPの送金手数料などはリップル社の収益となり、SBIは株主としての配当しか受け取れず、ビジネスとしての旨味が無くなります。自らコインを発行することで収益は増加することでしょう。しかし、システムとのマッチングなどに問題が起きる可能性があります。

 


気になるSコインのその後

 SBI HDの北尾会長は、昨年の中間決算説明会(2017年10月26日)にて、独自通貨Sコインの発行を発表しました。発表当時は非常に注目を集めましたが、その後はあまり言及されていません。1月30日の第3四半期決算報告においてはSコインの情報は1ページだけ、それも前回の資料をそのまま流用したに過ぎません。 金融庁によって日本国内でのICO要件に対する規制が大幅に強化された事実などはあるものの、SBIほどの企業にとっては政府の規制など大きな障害ではないはずです。むしろライバルを引き離すチャンスでもあるでしょう。にもかかわらず、Sコインのプロジェクトについて進展の発表がないことは気になります。

 


北尾氏のSBIの本気度

Sコインの進展はともかく、SBIグループとしては仮想通貨を次世代の主力事業と位置付け、相当力を入れているようです。前述の第3四半期決算説明会では、160ページの説明会資料の内、40ページを仮想通貨関連の説明に充てています。既存の銀行業や証券業などSBIグループを支える中核事業に比べれば、まだまだ実態のほとんど無い仮想通過事業の説明が、説明会資料の大きな割合を占めていることは北尾氏の本気度が見て取れます。

日本有数の金融グループであるSBIが本気で取り組む仮想通貨事業。最近停滞気味の仮想通貨市場に新たな息吹をもたらすことを期待します。