金融庁 日本人の海外ICO参加を禁止か

時事できごと

タイの旅行代理店 日本人向けICOを禁止される

ライターの結城です。
我が国の仮想通貨発行(ICO)や売買に大きな影響を与えるニュースです。

金融庁が、バンコク(タイ王国)に拠点を置く旅行代理店に対して、日本人にICOへ参加させないよう要請を出した、と同代理店がプレス向けリリースを出しました。


 

金融庁からのメール

 タイ王国に本社を置く旅行代理店 Tavitt (Thailand) Co.,Ltd (タビット)が、同社ウェブサイトに掲載した3月7日付のリリースにて、同社は金融庁からメールにて「日本居住者は日本の仮想通貨交換業の登録がない海外法人が実施するICOを購入してはならない」旨の通知を受け取ったと記載しています。

 タビットが発行するホワイトペーパーによりますと、AIが旅行者に最適な旅行プランを提案するシステムと、そのシステムに関連するサービスで利用できるタビットコインを提供する予定であるとしています。そしてそのタビットコインのICOを目指して、3月1日よりエアドロップを実施していました。

しかし、タビット社が日本の金融庁から ”メールで伝えられた” ところによると、

「日本居住者に販売しない(日本居住者が購入 できない)態勢を整備していただく必要があります」

と書かれていたようです。


金融庁の”要望”

すなわち、金融庁は次のようなことを求めているようです。

  • 日本居住者は、日本の仮想通貨交換業の登録がない海外法人が実施するICOに参加してはならない。
  • 日本の仮想通貨交換業の登録がない海外法人が実施するICOは、日本居住者が購入できない体制を整えなければならない。

簡単にいうと「日本人は、金融庁が認めたICOしか参加してはならない」「海外取引所は、日本人にICOに参加させてはならない」ということでしょう。

たしかに、ICOには詐欺案件も非常に多く、ICOで資金を集めたまま逃亡する事例が後を絶ちません。
日本でも、1月に起きた5chCoinの詐欺事件などが記憶に新しいところです(こちらの記事も参照)。金融庁としては一般投資家や消費者の保護は重大な関心事でしょう。


 

国内でのICOは事実上不可能

 金融庁は、国内でのICOも事実上不可能な体制(規制)を敷いています。

平成29年10月27日付の金融庁の通達により、国内の取引所では新規ICO通貨を上場させることが事実上不可能なほど厳しく制限されました。
ただし、永久的に不可能というわけではありません。 金融庁と国内取引所は現在、国内での新規ICOの基準作成をしています。 この仕組みが完成すると、金融庁の登録を受けた取引所が、そのコインを厳格に審査し、様々な基準を満たしたと認められた場合はICOが行えるようになります。そしてその仕組みは年内には完成する、と言われています。

この二つを合わせると、金融庁主導の新規ICOルールが整備されるまで、日本人は国内外を問わずICOに参加できない、ということになるでしょう。


 

海外の規制はどこまで実行力があるのか?

 金融庁は日本の行政組織なので、日本国内でしかその法的効力を有しません。したがって、日本国外ではその通知も権限も、何の効力も持ちません。今回タビット社が受け取ったメールも、強制力があるものとは言えません。 しかし、そうはいっても日本の中央省庁ですから、その意向に逆らった場合、日本人として多大な不利益を被ることになるでしょう。

また、今後のICOに対する牽制の効果も絶大であると思われます。

急ピッチで進められている仮想通貨関連の法整備ですが、市場に与える影響も大きいだけに、慎重に対応をしていただきたいものです。