テンセントがリップルに2000億円の出資を提案

深掘り解説

中国IT大手がリップルのアジア独占契約を提案

 

ライターの結城です。
中国でWechatを運営しているIT大手のTencentが、Ripple technology に大型出資を提案したと、Ripple News Techが報じました。


テンセントがまたも大型出資

テンセントは、香港に本社を置き、中国全域でWechat(ウィチャット)という日本のLineのようなSNSアプリを提供している巨大IT企業です。中国では、政府が海外製のSNSアプリやウェブサービスを遮断していますので、日本のLineやGoogleの一部サービスなどは中国では利用できません。その中国で半ば政府後任のSNSとして利用されているのがWechatです。
Lineと比べるとチャット機能だけでなく、買い物用の電子決済機能などが充実しており、中国ではスマートフォンとWechatがないと生活していけないというほどの影響力を持つアプリケーションです。
また、テンセントの事業は中国国内だけにとどまらず、米国で人気の写真共有アプリSnapchat(スナップチャット)や、Tesla、Spotifyなどにも投資しており、豊富な資金で海外展開も積極的に進めています。


Ripple Technologyへの出資

 そのテンセントが、リップルに巨額の投資をする予定だと、Ripple News Techが発表しました。
リップルのCEOによりますと、リップルは現在、米国およびヨーロッパ各国の金融機関等と、非公式のミーティングやフィンテックに関連した会議を頻繁に開催しており、「良い手応え」を感じているとのことです。そしてアジアにおいても様々な試みを行っていますが、今回中国再王手のIT企業テンセントのシニアマネージャーと取締役がリップルテクノロジーと会談を持ちました。

会談の内容は、テンセントがリップルに投資をするというものです。しかも、リップルの発行済株式の10から15%を取得するという大型の出資案件です。その条件としてテンセントはアジアでの独占契約を希望しているとのことです。また、テンセントは約20億USドル分のXRP(リップル※)を1年以内に購入することも併せて希望しているとのことです。
テンセントは、自社が運営するWechatにXRP決済を組込むことで、ライバル企業であるAlibaba(アリババ)やAmazonに対抗する狙いがあるようです。

 ※ XRPはリップルのシステムで利用されるコイン(仮想通貨)のこと。リップルとXRPの関係はこちらの記事も参照

The topic of the discussion is the possibility that Tencent can invest money on Ripple (XRP), buying a huge stake (10-15%) and get the exclusivity on the asian market.

According to our source, Tencent will offer 2 billion dollars that will convert in XRP in the next 12 months. The first billion in early days of July. The plan of Tencent is to integrate Ripple technologies on its Wechat and start a tech war against Alibaba and Amazon on mobile payments.


日本への影響

Ripple News Techの記事では、テンセントはアジアマーケットでの独占契約を欲していると書かれています( get the exclusivity on the asian market. 原文ママ)。
しかし、日本ではSBIグループがリップルに出資しています。SBIは約11%のリップルの株式を取得していますので、テンセントにアジア市場の独占など許すことはあり得ないでしょう。また日本の金融機関もリップルのシステムに興味を示しており、海外送金などのサービス向上にリップルや類似のシステムを取り入れようとしています。
もし、テンセントがアジアにおけるリップルのサービスを支配することになれば、日本の企業は大きな戦略転換を迫られることになるでしょう。
この辺りのパワーバランスは今後気になるところです。