仮想通貨とアノマリー(2)-仮想通貨の四方山話-

四方山話

仮想通貨の相場予想にアノマリーは使えるか?

 

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市場の季節性要因

 株式・為替市場で話題にされるアノマリーには「ジブリの呪い」のようなオカルト的なものもあるのですが、もうちょっと根拠が判りやすいものもあります。その1つが、シーズナリティ(seasonality)などと呼ばれるものです。

昨日の記事でも紹介されていた「節分天井・彼岸底」や「新年度効果」などもシーズナリティの一つですね。
今年の日経平均はこのシーズナリティに沿って動きました。実際のチャートを見てみましょう。

出典: Yahoo finance

 チャートは、日経225の2017年11月から4月28日までの半年間の推移ですが、1月下旬に高値を付け、それ以後は下降を続け、3月23日に底値を付けて4月は上昇しています。「節分天井・彼岸底」「新年度効果」のとおりですね。

この値動きを後付けで解説すると、
年末年始の休暇の前に、つまり12月下旬に手仕舞いした投資家が、年始から買戻しを始めたのが1月に上昇した理由。
そして、節分頃に高値を付けた株価は、3月決算に向けて利益確定売りや、各社の決算情報などの悪材料が出るため、2月上旬から下がり始めた。
利益確定が終わり、配当狙いの買いが入る春の彼岸頃(春分の日前後)に相場が底を打ち、その後また回復し始めた。
このとおり「節分天井・彼岸底」でしたね。

4月になると、2・3月の彼岸底で売った資金が再度市場に戻って来たことと、新年度の新規投資の資金が市場に流入してきたことで価格が上昇した。
これもまた「新年度効果/4月効果」のとおりですね。

もちろん、今年の日経平均の値動きの理由は、これらシーズナリティ(アノマリー)によるものだけではありません。日本政府の動向や、海外の動向、為替や天候なども影響したことでしょう。しかし、今年の日本の政治は比較的安定していましたし、災害や天候不順もありませんでした。海外もシリア情勢を除けば大きな混乱もなく、為替にも大きな変動がなかった。
このような大きな材料がない年は、比較的シーズナリティに沿った値動きをすることが多いものです。

では、株式市場と為替市場のシーズナリティにはどのような種類があるのでしょうか。
代表的なものを簡単に紹介しましょう。


代表的季なシーズナリティ

1月

● 年初効果 / 1月効果

年末年始の休暇のためにいったん手仕舞いされた資金が戻ってくるため、1月は上がりやすい。
また、1月の値動きは、通年の値動きと連動する確率が高い。1月が堅調なら、通年を通して堅調になりやすい。

 

2月-3月

●節分天井・彼岸底

新年度効果で上昇した相場は、節分(2月3日)頃に頭打ちし、春の彼岸(春分の日)に向けて下落していく。年度末である3月下旬に売りは一巡し、配当狙いなどの買いが入り始めて底を打つ。

 

4月

●新年度効果 / 4月効果

2・3月の彼岸底で売った資金が再度市場に戻って来る。また、新年度の新規投資の資金が市場に流入してきて価格が上昇する。4月が新年度となるのは日本の習慣なので、日本だけのシーズナリティ。日本株式市場の過去データでは、4月が最も上昇率が高く、経験則を裏打ちしている。

 

5月

●ゴールデンウィーク効果

株価が乱高下しやすい。ゴールデンウィークで日本の市場は休場日が多いが、海外は平日であるため、少ない日本市場の開場日で調整が入る。休場中に海外市場とのギャップが大きくなるために日本の市場は荒れやすい。これも日本特有のシーズナリティ。

●Sell in May, and go away; don’t come back until St Leger day.
「5月に売れ、そして逃げろ。セント・レジャーデイ(9月下旬)まで戻ってくるな」

アメリカでよく使われるアノマリー。5月から9月までは米国市場は軟調になりやすいため。

 

6月

6月の有名なアノマリーはないが、日本では梅雨の雨量が農作物や小売に大きな影響を与えるので、天候には注意が払われる。梅雨に関する長期予報が、長雨あるいは空梅雨の傾向と発表された場合は相場が下がりやすい。

 

7月-8月

●夏枯れ

出来高が減少するため相場も下がりやすい。
海外投資家がサマーホリデーに入るため、7月からは出来高が減少する(西洋では1ヶ月くらい休みを取る人も多いため)。また日本でも8月中旬がお盆休みであるため、小商いになりやすい。

●8月円高

8月15日に米国債の利払があるため、米国債を大量に保有する日本ではドルを売って円を買う動きが強く、ドル安(円高)になりやすい。為替市場では重要なシーズナリティ。輸入関連企業の株価が下がり、輸出関連企業の株価は上がりやすい。

 

9月

●頭を垂れる稲穂相場

中間決算の発表を控えて、いったん手仕舞いする投資家が多いため、軟調になりやすい。また米国も軟調となりやすい。ブラックマンデーなどの米国の歴史的な暴落は9-10月に多いことも事実。

 

10月

●秋の彼岸底

日本では、9月に売り越された株に買いが入るため、9月下旬頃から年末にかけて上昇基調となる。「秋の彼岸底」ともいい、秋分の日頃に相場が底を打ち、年末に向けて上昇に向かいやすい。
米国株は10月下旬に底値を付けることが多いので、ハロウィンの時期(10月末)に仕込むのに良い時期とされる。これを「ハロウィン効果」とも言う。

 

11月-12月中旬

西洋市場はクリスマス商戦に向けてマーケットが活溌になるため、年末に向けては買いが入りやすい。日本市場も、秋の彼岸底以降は上昇基調が続きやすい。

 

12月

●年末の株安

10月以降上昇基調にあった市場は、年末年始の休暇前に手仕舞いされるため、12月中旬から下がる。


どうでしょうか?どれもそれなりに説得力があるのではないでしょうか?
このようなシーズン毎の特徴は、長期間のデータを見るとハッキリと傾向が見て取れます。特に、4月の株高、8月の円高、秋の戻り相場などは、日本市場ではよく見られます。

では、仮想通貨には季節要因が存在するのでしょうか?
答えはおそらく「NO」でしょう。2018年現在では、シーズナリティもアノマリーも仮想通貨相場では存在しない、と言えるでしょう。

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