イタリアの取引所に対して破産手続き申請-仮想通貨の四方山話-

時事できごと

Nano盗難事件のBitGrail へ破産申請

 

ども! ブログライターのタツヤです。
イタリアの仮想通貨取引所 BitGrail(ビットグレイル)を運営する BitGrail S.r.l.社に対して、被害者集団が破産申請手続きを開始しました。仮想通貨取引所 BitGrailは、今年2月に不正アクセスを受けて200億円相当(当時)の仮想通貨ナノ(Nano:XRB)が不正に引き出され、その後営業を停止していました。


事件の概要

イタリアの仮想通貨取引所BitGlairで、2月8日頃に仮想通貨のNano(XRB)が不正アクセスにより引き出され、およそ1700百万のXRBが盗まれ、当時の価格で1億9千万ドル(約200億円)の被害が発生しました。

事件が発覚したのがコインチェック事件の2週間後というタイミングだったため、海外では大いに注目されましたが、日本ではあまり報道されませんでしたね。
当ブログでは特集記事を掲載しましたので、詳細についてはこちらの記事をご覧ください。

簡単に事件の概要をおさらいしてみましょう。
事件が起こったのは2018年2月8日。発表があったのが翌9日。
イタリアの仮想通貨取引所 BitGrailを運営するBitGrail S.r.l.社が不正アクセスされ、仮想通貨Nano(XRB)1700百万が不正に引き出されました。被害額は、当時の相場で約200億円です。
コインチェック事件の直後の出来事だったので色々と注目されましたが、この事件の最大の特徴は、BitGrail社のCEOであるFrancesco Firano氏の言動と、Nano開発チームとの泥仕合でしょう。

Firano CEOは、事件を発表した2月9日に、自身のTwitterで「盗まれたXRBは返金できない」と発信します。事件の当日早々に、弁済不可能発言をして利用者をパニックに陥れます。そして、Firano氏の発言はそれだけに止まらず、「Nano開発チームが事件解決に協力しない」とNanoの開発元に責任転嫁までします。
当然、Nanoチームは激怒。即座にFirano氏とNano開発チームと間で交わされたチャットのログをサイトに公開します。このチャットログにはFirano氏が「XRBの取引履歴(不正引出しの情報を含む)を『書き換えて事件が無かったことにしろ』」という発言が含まれており、物議を醸しました。さらにNanoチームは、そもそも盗難はFirano氏の狂言である可能性まで示唆しました。

こうして、BitGrailとNano開発元での泥仕合が始まり、双方は互いに「相手のシステムに欠陥がある」として非難し合いました。まあ、実際にはBitGrailの管理方法が不適切だったんですが。



被害者集団が提訴へ

この事件発表直後に、BitGrailは全取引を停止しました。利用者はGOX状態になり、自分の資産にアクセスできなくなりました。これまで3,000人以上の被害者たちがBitGrailに対して返済や弁済の申し立てをしたそうです。これに対してFirano氏側は、BitGrailを再建し、新BitGrail専用コインBitGrail Shares(BGS)を発行して、被害者の損失を補填する計画であると回答しました。

しかし、被害者の多くはこれに納得せず、BitGrail再建ではなく、破産させて資産を債権者(被害者)に配分することを望み、裁判を起こしました。 また、Firano氏は、自身のTwitterで被害者に対してアンケートを行い「取引所を再開させるか、閉鎖させるか」を訪ねます。この結果、79%が閉鎖を望むと投票しました。

そして、被害者達は集団訴訟を行い、イタリアの法律事務所 BonelliEred(ボネリエレーデ)が被害者側の代表となって、イタリアの裁判所に対して、4月27日にBitGrail S.r.l.社の破産を申し立て、その経緯を被害者グループは、掲示板RedditMediumにて28日に発表しました。

この「破産申し立て」の開始について注意しなければならないことは、BitGrailが破産を申し立てたのではなく、債権者である被害者(BitGrailの元ユーザー)が、破産を申し立てたということです。法律事務所 BonelliEredは、被害者グループ側の法律事務所です。イタリアの法制度では、債権者側が破産を申請できるようですね。

仮想通貨Nano (XRB)の価格は、この発表後に僅かに上昇しましたが、現在の所大きな値動きはないようです。

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Reddit
BitGrail Bankruptcy Petition