FINANCE FORUM を取材しました(その2)

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東京千代田区で25日(金)に開催された、FINANCE FORUM 2018の取材記事 第2回です。
その1はこちら

このフォーラムは「ブロックチェーン技術がもたらす金融イノベーション」と題されている通り、金融機関におけるブロックチェーン技術の活用に焦点を当て、大手金融機関における最先端の取り組みや、金融サービスの将来のあり方などを探る目的で開催されました。

今回は、フォーラム講演者の中でも、一風変わったビジネスを紹介された、AiFC株式会社の福沢栄治社長に取材する機会がいただけましたので、同社のプロジェクトについて紹介させていただきます。

 


AiFC株式会社の概要

福沢社長は早稲田大学で工学博士を取得した後、ビッグデータや人工知能(AI)を専門とする技術者として国内大手企業で活躍されていました。華僑の出自を活かして、日本国内で日中双方の技術者と企業を結びつけて、新たなビジネスを作り出すべくAiFC社を立ち上げました。

写真は AiFC株式会社 福沢社長(左)と、株式会社みずほフィナンシャルグループ デジタルイノベーション部シニアデジタルストラテジスト斎藤耕介氏(右)。斎藤氏はFINANCE FORUMで基調講演を行われました。 

福沢社長率いるAiFC株式会社は、社長の専門領域であるAIとビッグデータ解析を用いた総合金融サービスプロバイダ「AiFChain」を実現しようとしています。AiFChainは非常に大きな構想で、人工知能とビッグデータを用いてデジタルアセットを総合的に運用するプラットフォームを目指しています。
FINANCE FORUM 2018の講演では、このAiFChainの機能の一部となるICO審査システムが耳目を集めていました。

編集部が、福沢社長に取材を試みたところ、ご快諾いただき、またAiFChainの紹介記事を書くために詳細な資料まで頂くことが出来ました。


ICO審査システム

 現在は事実上禁止されている日本でのICO(Initial Coin Offering)ですが、金融庁と仮想通貨取引所は、早期解禁に向けてルール作成に取り組んでおり、早ければ今年中、遅くとも来春までには解禁されると予想されています。世界に目を向けると、ICOはまだまだ野放し状態で、詐欺まがいの案件も多数報告されています。このような状況ですので、各国の政府や中央銀行は、規制強化の方向で歩調を揃えようとしています。

このように書くと、ICOは怖いもの、投機的なものだと勘違いされがちですが、適切な規制が制定された後は、ICOは新しい資金調達手段として定着していくでしょう。 とはいえ、現在は怪しくて投機的なICOが多いのも残念ながら事実ではあります。従って、適切な国際基準に基づく、信頼性の高いICO審査基準が求められています。そのために、日本国内では、ICO案件の審査基準を制定し、仮想通貨取引所に審査権限を与える「ICOプラットフォーム」構想が進んでいます。(詳しくはこちらの記事参照
SBI CBやGMOコインなどが、このICOプラットフォームの提供を目指して金融庁のルール作成に協力しています。日本国内でICOが解禁された後は、金融庁の許可を得た取引所が、ICO案件を精査して、信頼性の高い事業のみがトークンを発行できるようになるとされています。


ICOプラットフォームとIPO審査

ICOプラットフォームの仕組みは、IPO(Initial Public Offering 株式公開)に似ています。

企業が株式を商圏取引所に上場するきは、取引所が企業の決算書などの書類や、役員の状況、事業の形態などを厳しく審査します。同様に、ICOでも、仮想通貨取引所がトークン発行体のチームやビジネスプランなどを評価することになります。しかし、ICOプラットフォームでは、証券取引所ほど厳しい審査は行われません。従って、IPOに比べて極めて簡易な資金調達手法となることが予想されています。
仮想通貨取引所が提供する予定のICOプラットフォームは、金融庁の定める審査基準と、発行体が提出するホワイトペーパー等を照合して適合性を確認し、基準を満たせば誰でもICOをすることが出来るようになります。このことは、言い換えれば、画一的な審査を行うため公平性は高いものの、審査において融通は利きません。株式のIPOでも同様で、厳格なIPO審査を経て上場したにもかかわらず、上場後に時価総額が急落する銘柄や、IPO後数年で上場廃止になる銘柄も少なくないのは、審査が硬直的であることが大きな理由の一つです。
入念なチェックを行うIPOですら、このような不良銘柄の上場が後を絶たないのですから、IPOよりも遥かに簡単な審査しか行わないICOプラットフォームでは、その信憑性は残念ながら高いものにはならないでしょう。

AiFC株式会社が提供する独自のICO審査システムは、取引所のICOプラットフォーム補完する審査制度になるだろう、と福沢社長は語ります。

その3に続く)