仮想通貨は「おかね」か? (その3)

連載解説

貨幣の三つの機能と仮想通貨 (その3)

 

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 3.価値保存機能

 貨幣は、お札や硬貨として、金庫に保管しておいたり、財布に入れて持ち歩いたりできます。
また、他者(銀行など)に預けておくこともできます。このように、紙幣や硬貨はコンパクトで丈夫なので、持ち歩くことも、長期間保管することも可能です。

仮想通貨には、保存機能は一応あると言えるでしょう。送金、引出し、預入れなどの面では、むしろフィアット(法定通貨)と銀行の組み合わせよりも便利な場合もあります。一方で、法定通貨に比べて仮想通貨は著しく信用が低いため、仮想通貨のまま保存を選ぶ人は少数でしょう。値上がりを期待して投機的な理由で長期保管する人はいますが、価値が不安定な仮想通貨よりは、法定通貨の方が価値の保存には向いています。例えば、草コインなどは、保存している間に価値がほぼゼロになる可能性も十分あります。


まとめ

 以上、貨幣の3大機能の観点から、仮想通貨がお金と言えるかどうかを論じてみました。
結論としては、現時点では仮想通貨をお金として使うことにはデメリットが多すぎると言えます。 しかし、将来は、仮想通貨がこの3つの機能を備えて、お金として利用できるようになると思われます。

仮想通貨の尺度機能と交換機能に欠点があるのは、ボラティリティーが大きいことが最大の龍です。もし、仮想通貨の相場が安定し、フィアット(法定通貨)に対する1ヶ月の変動幅が2~3%程度に落ち着けば、通貨として利用することが出来るようになるでしょう。

また、実際に利用できる店舗が少ないことも、仮想通貨が交換機能を果たせていない理由の一つです。これに関しても、ボラティリティーが落ち着いてくれば、旅行客などを中心に利用が広がる可能性が高まります。リップル(XRP)などは、多くの金融機関が採用を検討していますので、BtoBでの利用も見込まれます。

これらが、現在は仮想通貨をお金としてみなすことが出来ない理由ですが、これらの欠点は克服できないものではありません。遠くない将来に、仮想通貨が貨幣の三大機能を備える日が来るでしょう。
その根拠は、途上国の法定通貨(フィアット)にあります。一部の途上国では、自国の法定通貨といえど信用がなく、国民が外貨を優遇しています。記憶に新しいところでは、ジンバブエドルの崩壊などが挙げられます。ジンバブエドルは、ジンバブエの法定通貨でしたが、信用をなくして貨幣の三大機能を失い紙くずになりました。もしあのとき、ビットコインやイーサリウムなどが存在していたら、かの国では仮想通貨がフィアットを代替する通貨になったかもしれません。

このように、仮想通貨が一定レベルの信用と利便性を得たとき、先ずは途上国から、仮想通貨による売買が始まる可能性が高いと思われます。現在はまだまだ信頼が不足している仮想通貨ですが、ハードカレンシーの1つとなる日も遠くないのではないでしょうか。

(おわり)