仮想通貨の「Hype(ハイプ)」は 詐欺ではない

用語集

Hype(ハイプ)はScam(スキャム)とは異なる

 

ライターの結城です。
英語圏の仮想通貨に関する記事では「Hype (ハイプ)」という単語をしばしば目にします。
この単語を「詐欺」と訳している日本語サイトが多いため、訂正を促したいと思います。

「Hype」とは、参加者の気持ちを盛り上げるためのやや強引な宣伝方法を意味することもあり、必ずしも詐欺行為や非合法な行為を指すわけではありません。


HypeとScamの違い 

 

 仮想通貨の世界には悪質な参加者も多く、詐欺やハッキングの被害が後を絶ちません。
従って、仮想通貨に関わる人々は、他の金融商品を扱うときよりも詐欺や不正アクセスに注意しなければならないことは事実です。

取引所へ上場させる気も無いのにICOを行い、投資家から資金を集めて逃亡するような手法は、最も典型的な仮想通貨の詐欺行為で、これは英語では「scam (スキャム)」と呼ばれます。
Scam と Hype は、仮想通貨世界では異なる意味で用いられる言葉なので注意が必要です。


 

Hypeの定義

 仮想通貨に関連した記事やシチュエーションで「Hype(ハイプ)」という言葉が用いられるとき、それは「詐欺」を意味しません。

Hypeに対応する適切な日本語が無いため説明が難しいのですが、Hypeとは、

● 特定のコインやプロジェクトを盛り上げるために行われる、マーケティングやPRの一手法であり、

● ポジティブな情報や、楽観的な未来予想を積極的に発信し、マーケットやコミュニティーを盛り上げる行為であり、

● 違法性はなく、

● 多少の誇張表現はあるものの、嘘や悪意は含まれない。

というような特徴があります。

Scam(詐欺行為)を行うグループは詐欺の意図があることを隠して投資家を騙しますが、Hypeを行うプロジェクトやコミュニティーはそれがHypeであることを隠しません。
堂々と「Hypeを活用してコミュニティーを活性化させる」などと公言し、PR戦略として利用している点がscamとは異なります。


日本語サイトでの誤解

 しかし、日本の仮想通貨関連サイトを見るとHypeを「詐欺」や「誇大広告」などと訳しているサイトがほとんどであり、ICOに参加しようとしている日本人投資家の判断に悪影響を与えている可能性があります。
今後、仮想通貨世界に関連する英語記事で「Hype」という単語を目にしたときは、翻訳者は気をつけてください。
また、英語記事を日本語に訳した文書で「詐欺」や「誇大広告」という単語を見たときは、元の単語が「Hype」なのか「Scam」なのかに注意を払い、Hypeを詐欺と誤訳している可能性を考慮して、前後の文脈から不自然さを感じる場合は元の記事を読むなど注意をしてください。

 一方で、仮想通貨以外の伝統的な金融商品(株式や債券)に関する記事、あるいは英語話者との日常会話において「Hype」という言葉を聞いたときは、それは「詐欺」や「誇大広告」というネガティブな意味を持つことも多いので注意が必要です。
Hypeという言葉は、インターネットスラングの一種としてはポジティブな意味を持ちますが、通常の会話ではネガティブな意味として用いられることの方が多いからです。

次回に続く