仮想通貨の Hype と Scam の違い

用語集

仮想通貨のHypeは「詐欺」ではない。

 

前回から続く
Hype(ハイプ)という言葉は、仮想通貨世界では「詐欺」を意味せず、積極的なPR活動によってコミュニティーを盛り上げるような宣伝手法を指します。
一種のスラングであり、これを「詐欺」と訳している日本語サイトが多いため、日本人投資家に誤解を招いている恐れがあります。
一方で、伝統的な意味でのHypeは「誇大広告」「いんちき」などのネガチブな意味を持ちますので、筆者・話者がどのような意味でHypeという言葉を使っているのかは、シチュエーションで判断する必要があります。


Hypeの意味

 「Hype」を英和辞典で引くと 「誇大宣伝〔広告〕; いんちき」(ジーニアス英和辞典)と定義されており、不道徳な行為と読めます。
実際にその通りであり、仮想通貨や芸能以外のジャンルで Hype という言葉が使われるときは、詐欺的行為であったり、誇大広告であったりと、ネガティブな意味で使われます。

しかし、芸能関連や仮想通関関連するマーケットで用いられるHype は一種のスラングであり、上記英和辞典の定義ような意味とは異なります。

ハッキリとした歴史は解りませんが、2000年以降にインターネットの各種コミュニティー内でHype という言葉がだんだんポジティブな意味で使われるようになり、現在の英語圏では、特に若者の間で Hype といえば、「少々強引なPR・宣伝手法」と認識されています。
そこに違法性や他者を欺く意図はなく、「みんなで盛り上げていこう」というような、集団心理に訴えかけて感情を前向きに煽っていくスタイルのマーケティング手法、というような認識が持たれています。

なお、このポジティブな意味でも用いるHypeという言葉は歴史が浅いため、人や地域によって異なる解釈があることも念頭に置いてください。


詐欺師もHypeを使う

 Hypeは、仮想通貨や芸能関連の話題で用いられる場合は、上記のようなポジティブな意味で使われており、詐欺行為ではありません。しかし、詐欺師もHype手法を使うので、Hypeであれば警戒しなくて良いという意味ではありません。
Hypeは、マーケティング、あるいはPR手法の一部です。その裏にある意図が健全かどうかは別の問題なのです。


日本にも存在するHype

Hypeに対応する日本語訳は現在は存在せず、せいぜい「誇大広告」が近い表現ですが、日本語で「誇大広告」というと各種法律で禁止された違法な宣伝手法とイメージされやすいため、あまり適切な訳とは言えません。

一方で、日本のマスメディアや広告代理店は、日常的にHype的な手法を用いています。
デビューしたてで認知度のないアイドルグループをさも有名であるかのように紹介したり、発売直後の製品をサクラを使って流行っているように見せかけるなどの宣伝手法は、日本でも日常的に用いられており、これらの行為はHypeの一種と言えるでしょう。日本では、これらの宣伝手法は「ステルスマーケティング」などと呼ばれます。

しかし、ステルスマーケティングは「ステルス」の名の通り、視聴者や読者にそうとバレないように気を使いますが、HypeはHypeであることをあまり隠さないという相違点があります。


投資判断は本質を見て

Hypeは消費者や投資家の気持ちをポジティブにして、マーケットを盛り上げる宣伝手法です。
マーケットが活性化することで、参加者にとって利益をもたらすことが多いため忌避することではありませんが、投資家が投資判断をする際には、Hypeの影響がどの程度なのか、投資対象の実際のポテンシャルはどの程度なのかをきちんと見抜く必要があるでしょう。