仮想通貨のはじまり(その5)

深掘り解説

ウェイ・ダイ
 b-moneyの開発者

 

ウェイ・ダイ (戴维) は、仮想通貨b-money を開発した人物であり、コンピューターサイエンティストです。かれはナカモト サトシがビットコインを開発する10年も前に、仮想通貨のアイデアを発表している偉大なコンピューターサイエンティストです。


暗号研究家としてのダイ

ダイは、ワシントン大学でコンピューターサイエンスを学び、後にマイクロソフトに入社します。 マイクロソフトのワシントン支社での彼の仕事は暗号研究であり、 ウィンドウズやその他のアプリケーションが利用するインターネット通信を暗号化するための仕組みを研究していました。

彼はまた、Crypto++ (あるいは、CryptoPPとも呼ばれる)の開発者としても知られています。 Crypto++ は無料のオープンソースの暗号アルゴリズムに特化したC++ のライブラリーです。 1995年に公開され、研究、学生の学習、そしてビジネスに幅広く利用されることを意図しています。 Crypto++ は2018年現在もバージョンアップを繰り返しながら利用されている長寿のサービスです。


b-money 早すぎた仮想通貨

1998年、ダイは仮想通貨に興味を持ち、自ら b-money を開発し発表します。 これは匿名で電子通貨をやりとりできるシステムであり、ダイ曰く「 グループに参加する利用者を追跡できないネットワーク内で、互いに電子マネーを支払ったり、あるいは契約を交わすこともできる、外部のサポートを必要としないシステム」と述べているとおり、現在の仮想通貨の特徴を有しています。

ナカモト サトシが2008年にビットコインの構想を発表したとき、ナカモトはダイのb-moneyの構想を用いています。 ビットコインの中心的な技術である Proof of Work 、コミュニティーによって認証されるブロック、採掘者に報酬を与えることで採掘のモチベーションを保つ仕組み、ブロックのハッシュ化などは、ダイのb-money の時点で既に存在したアイデアでした。

ダイは、アダム・バックとともにナカモトサトシからコンタクトを求められた人物であり、ナカモトがビットコインを開発していた2008年にダイはナカモトとコミュニティーで意見交換をしています。 ナカモトにビットコインのホワイトペーパーには、ダイのb-moneyが引用されていることからも、ダイの業績がビットコインと今日の仮想通貨に与えた影響がわかると思います。


このように、仮想通貨と言えばビットコインが始まりだと思っている人も多いですが、ナカモトがビットコインを発表する10年も前に、類似の構想は既に登場しており、ナカモトはそれらを発展させてビットコインを開発したのです。

次回に続く