貨幣とは(その2)

用語集, 連載解説

ライターの結城です。

お金とは何でしょうか?
定義は色々とありますが、通貨として機能するために必ず備えていなければならない3つの機能があります。それを貨幣の三大機能と言います。それぞれ見ていきましょう。


貨幣の三大機能

貨幣の3つの機能とは、次の三点です。
 1.価値尺度機能
 2.交換機能
 3.価値保存機能

それぞれ順番に説明します。

1.価値尺度機能

 価値尺度機能とは、物とお金の価値を比較する機能のことです。
10,000円札を渡すと、1万円相当の商品やサービスが購入できますね。日本全国どこへ行っても、500mlペットボトルの飲料は大体90円~150円くらいです。ガソリン価格は、首都圏ならば、最近は140円/リットル前後ですし、スマートフォンは1台数万円でしょう。よほどのブランド物やプレミア物でもなければ、この価格が10倍になったりしませんし、また10分の1になったりもしません。
このように、それぞれのモノが、日本円という尺度によって、おおよそ価値を測り比較することができます。
これを価値尺度機能といいます。モノの価値を測って表すことができるということです。

もし、価値尺度機能が機能していなかったらどうなるでしょうか?
例えば東京都の最低賃金は958円/時 です。東京でアルバイトを探している人が、1日8時間、月間20日働く場合、 958円×8時間×20日 = 153,280円 の月間所得が得られると計算できます。そして15万3千円の所得あれば、家賃、食費、水道光熱通信費等が賄えるので「生活が成り立つ」、という計算が簡単にできます。
しかし、この尺度機能が機能しなかった場合、「15万円の給料が月末に振り込まれるが、生活していけるかどうか推測できない」となり、生活が成り立ちません。

 

2.交換機能

 貨幣は、売買(決済、交換)を行うときの、支払手段としての役割があります。
上記1.で説明した通り、貨幣にはモノの価値を測る機能があるため、10,000円の価値があるモノは、10,000円札と交換できるのです。 物々交換の時代には、交換される2つのモノが等価でなければ交換できませんでしたが、貨幣は尺度機能を持つため、決済が簡単になりました。
このことから、貨幣の交換機能は「交換媒介機能」とも呼ばれます。
例えば、農家が作物を貨幣に交換し、その後に貨幣で生活必需品を買うことができます。農作物で直接的に物々交換するのではなく、貨幣を媒介して間接的に取引とすることができるので、物々交換をする必要が無くなったのです。

また、貨幣によって将来の価値を買ったり、貸したりすることが出来るようにもなりました。
例えば、先物買いです。まだ存在していないモノであっても、将来発生する価値を数値化できるために、先に買っておくことが出来ます。あるいは、価値を貸し出す(お金を貸す)ことも出来るようになりました。

もし、交換機能が機能しなくなった場合、世界は再び物々交換市場となってしまうことでしょう。

 

3.価値保存機能

 貨幣は、お札や硬貨として、金庫に保管しておいたり、財布に入れて持ち歩いたりできます。
また、他者(銀行など)に預けておくこともできます。このように、紙幣や硬貨はコンパクトで丈夫なので、持ち歩くことも、長期間保管することも可能です。

もし、貨幣の価値保存機能が機能していなかった場合、持ち歩いているうちに壊れたり、保管している間に無価値になったりすることが考えられます。漁師が魚を釣ってきても、数日で腐敗して価値が激減してしまいます。しかし、貨幣は腐敗しないので、同じ価値のままで長期間保管しておけるのです。


以上が、貨幣の3つの機能です。

私たちにとってはどれも当たり前のことのように思えますが、「おかね」が存在しなかった時代、あるいは「おかね」の信用が著しく低かった時代は、物々交換が主流であったため、経済活動がとても不便だったのです。
それほど、現在の貨幣は便利であり、また信頼できるものなのです。

では、仮想通貨はこの貨幣の三大機能を備えているのでしょうか?
次回は、この点を論じます。

次回に続く