法定デジタル通貨は実現するか(その2)

深掘り解説

デジタル法定通貨の定義

 

前回はこちら
中央銀行デジタル通貨は、デジタル法定通貨、あるいはCDBC(Central bank digital currency )等とも呼ばれます。

現在、中央銀行によって発行されたデジタル通貨を使用している国家はありませんが、電子化が急速に進む時代にあって、またビットコインに代表される仮想通貨が急速に市民権を得ている時代背景もあって、近年盛んに議論されるようになりました。


近年のデジタル法定通貨の状況

まだ決まった呼び方が定着していませんので、この記事ではデジタル法定通貨と表記します。

法定通貨とは、フィアットとも呼ばれ その国の政府が法律で定義し、中央銀行が管理する通貨です。(こちらの記事に詳しく解説しています
我々が一般的にお金と言うときに想像する、日本円、アメリカドル、イギリスポンド、EU諸国のユーロなどのことです。
他方、仮想通貨、地域振興券、あるいは過去に存在していたが現在使われていない古銭などは、一定の金銭的価値(貨幣の3つの機能)と流動性を持つものの法定通貨ではありません。

デジタル法定通貨は、特別な法律に基づいて政府機関(中央銀行)によって発行される電子的な法定通貨です。 仮想通貨や、いわゆる電子マネー(SuicaやWAONなど)とはデジタル法定通貨ではないので、間違えないようにしてください。
※ 過去記事:電子マネーとは?も参照

イングランド銀行(英国中央銀行)は、デジタル法定通貨の導入の見込みについて、公開議論を開始した最初の中央銀行です。
スウェーデン中央銀行は、2018年現在、デジタル法定通貨の発行について前向き且つ活溌に議論しており、世界のデジタル法定通貨導入議論をリードしている存在です。また、ウルグアイ中央銀行は、2017年後半にウルグアイ・ペソのデジタル版を試験的に発行すると発表しています。

このように、デジタル法定通貨の導入は国家レベルでの議論や試験の段階まで進んでいます。


デジタル法定通貨の特徴

デジタル法定通貨は、現在のリアルな通貨である紙幣・貨幣と全く同様に、支払い手段として用いることができ、貨幣の三大機能を備えています。 紙幣と同様に、1つのデジタル通貨単位は通し番号を持っており、番号による偽造抑止を図っています。

デジタルな通貨であるため、その保有はデジタルな手段に限定されます。 オンライン銀行口座、携帯電話のお財布機能、USBメモリーなどのデジタルストレージなどです。しかし、デジタル通貨の正当性は政府の保証によるものであるので、保管するデバイスには依存せず、独立したデータです。 誰が保有していても、どこに保管されていても、どのような転送経路を経ていようとも、価値が変化することはありません。
このような点で、紙幣や硬貨と同等の性質を持つものです。

では、デジタル法定通貨はどのような利点と欠点があるのでしょうか?

(次回に続く)