仮想通貨のはじまり(番外編 2)

連載解説

ビットコインの黎明期

 

ナカモト サトシによって生み出されたビットコインは、21世紀を代表する発明のひとつであることは疑いの余地がないでしょう。
しかし、ビットコインは最初から現在と同じシステムであったわけではありません。 ナカモトによって発表された最初のバージョンは様々な不具合があり、バージョンアップを経て現在のビットコインになっているのです。


 

ビットコイン・コア開発史

正体不明の天才エンジニア サトシ ナカモト がビットコインを初めて発表したのが2009年1月9日です。 しかし、「ビットコインを発表」とか「ビットコインの誕生」といってもその内容を具体的に知っている人は少ないのではないでしょうか?

 

大ざっぱに言えば、「ビットコイン」は電子的なデータとアプリケーションによって成り立っていますから、ビットコインを利用するためのプログラムが存在します。 それをブロックチェーンと呼ぶこともできますが、より厳密には「ビットコイン・コア (Bitcoin Core)」と呼ばれるプログラムがビットコインシステムの中核となるソフトウェアです。

ビットコイン・コアは、フリーのオープンソースプログラムであり、誰でもダウンロードして利用することができます。 ビットコインのマイニングを行ったり、取引所などを経由せずに送金するためにはビットコイン・コアが必要になります。 ビットコインというシステムを動かしている中核ソフトウェアがビットコイン・コアであり、ビットコイン・コアがなければマイニングはできませんし、ビットコインの売買(送金)もできません。 つまり、このソフトウェアと、それをインストールして動かしている無数のコンピューター(ノード)が、ブロックチェーンの正体なのです。


Satoshi Client

2009年1月9日にき発表されたビットコイン・コアは、Bitcoin 0.1と呼ばれるバージョンで、ウィンドウズでのみ作動するものでした。 しかしこのVer 0.1は様々な不具合を抱えており、正しいアドレスに送金されずに全くの別人に送られたり、秘密鍵が失われたりするなど、仮想通貨としては致命的な欠陥が多々ありました。

ナカモトとオンラインフォーラムに参加していた幾人かの有志達はビットコイン・コアの改善に努め、マイナーアップデートを繰り返しながら 09年12月16日にはBitcoin 0.2をリリースします。 このバージョンではリナックスに対応したり、マルチコアCPUでのマイニングに対応したりといった大きな進歩がありました。 このころ、このソフトウェアは非公式にSatoshi Client(サトシ クライアント)と呼ばれていました。

ビットコイン・コアの改善は今も続いていますが、ナカモトはVersion 0.39のリリースを境にフォーラムでの発言が急速に減少し、2010年の6月頃にはほとんどフォーラムで発言を行わなくなり、ビットコインの開発からは完全に手を引きました。その後、彼は表舞台には一切現れていません。