トークンエコノミクスとトークンマトリクス(その2)

連載解説

トークンエコノミクスとトークンマトリクス
その2 経済圏の創出

前回はこちら
トークンエコノミクス(Token Economics)は、特定の仮想通貨(のトークン/コイン)が作り出す経済圏のことです。その通貨が持つ経済圏が大きければ大きいほど、良い通貨と言えるでしょう。


トークンエコノミクスの規模

仮想通貨は通貨ですから、経済効果の良し悪しの観点では、法定通貨と同じです。 日本円という通貨が作り出している経済圏は、ほぼ日本の国土と同じです。日本円が使われているのはほぼ日本国内だけだからです。しかし、日本国内のすべての資産や製品は日本円で取引されますので、日本円の経済規模は巨大です。ユーロの場合は(英国などを除く)EU加盟国が経済圏です。GDPでは米国に次ぐ2番目の大きさになります。このように、その通貨が持つ経済圏が大きいほど、一般的には安定した良い通貨とみなせると言って良いでしょう。

仮想通貨も基本的な考え方は同じです。特定の通貨の利用シーンが広いほど、利用者にとって魅力的な通貨であり、価値も安定しやすくなります。


トークンエコノミクスの拡大 

 前回例に出した架空の仮想通貨「ブックコイン」のように、ある1企業の店舗でしか使えないコインは「トークンエコノミクスが小さい」とか、「トークノミクスが限定的」と表現され、利用者にとって魅力が低いコインと言えます。 他方、ビットコインやイーサリアムは、世界中に利用者がおり、また世界中で支払手段として利用されています。このようなコインは、巨大なトークンエコノミクスを持っていると言う事ができます。

仮想通貨の価値を考えるときには、その通貨が持つトークンエコノミクスがどの程度の規模なのか? 成長性はどうなのか? どのようなシーンで利用できるのか? などに着目することが重要です。 従って、仮想通貨の発行体は、トークンエコノミクスを少しでも拡大させるように取り組むことが、プロジェクト成功のためには必須です。

これは、仮想通貨に限らず、電子マネーなどでも同じことです。 日本には、SuicaやNanaco、WAONなどの様々な電子マネーが存在しますが、それぞれライバルに負けないために利用可能店舗の拡大と、利用者の獲得を重要視しています。 

 

次回はトークンマトリクスについて解説します。