2019年仮想通貨は暴騰?横ばい?(その3)

四方山話

来年の仮想通貨市場はどうなる?(その3)

 

前回はこちら

2019年の仮想通貨相場の予想について、前回まではポジティブ派、つまり来年は高騰するだろうと予想する人々の主張と根拠を取り上げました。 今回は横ばい派、つまり来年の相場は2018年と大きく変わらないと考える人々の主張を取り上げます。


来年も大きな成長はないと考える人達は次のような理由を根拠にしています。

・ 法規制の不足
・ 市場と技術の未成熟
・ ICOの減少

それぞれ解説します。


法規制の不足

仮想通貨市場に対する法の整備はまだまだ不十分です。今年、アルゼンチンで開催されたG20では、各国の足並みがそろわず、仮想通貨に対する規制方針の国際合意が見送られました。 高騰派はこの件を楽観的に考えていますが、横ばい派は法整備の遅れを非常に悲観的にとらえています。 とりわけ、最大の市場である米国での規制の遅れが懸念されています。

米国では、州レベルでは仮想通貨に対して様々な取り組みが行われていますが、米連邦政府は仮想通貨の規制について完全に沈黙を保っています。SEC(米国証券取引委員会)は、強硬な態度で強い規制を求めていますが、トランプ政権は暖簾に腕押しのようにSECの要求を無視しており、仮想通貨に関する法規制についてはまるで無関心とも思える態度をとっています。 このことは、マーケットに対してポジティブな要素とはならない、というのが横ばい派の主張です。

また、EU加盟国や日本など、仮想通貨取引の多い国家では独自の方針で仮想通貨に関する法や規制の制定を進めていますが、それらもまだまだ途上であり、確実な方針を発表したり、あるいは十分な法案を議会に提出したりした国はまだありません。

このような先行きの不透明さは、機関投資家にとっては大きな足かせになっています。コンプライアンスや説明責任に関する社会の目が厳しいこの時代に、無法地帯ともいえる仮想通貨世界は企業にとって責任ある投資を行いにくく、したがって大手機関投資家の参入が遅れているのだ、というのが横ばい派の最大の主張です。

 

市場と技術の未成熟

仮想通貨のマーケットは歴史が短いため、伝統的な金融市場と比べてルールだけでなく、様々な点で発展途上です。

ひとつはシステム面や安全面です。 仮想通貨取引が活発になったのは2016年頃からであり、取引所の殆どが開設から2年以内という非常に若いこの市場では、取引所のシステムが未熟であったり、統一性が無かったりと、投資家にとってストレスになっています。また、ハッキング事件がたびたび発生したり、不祥事が起きたりと、やはり投資家が安心して利用できる環境にはありません。

もうひとつは商品の不足です。伝統的市場では、先物取引、オプション取引、スワップ取引などの金融派生商品(デリバティブ)が充実していますが、仮想通貨世界ではデリバティブ取引は限定的です。 デリバティブ商品の少なさはリスクヘッジ手段の少なさにもつながるため、投資家にとって不利益となります。

(次回に続く)