トークンの証券化について(その2)

用語集

トークンと金融証券取引法(その2)

 

「証券」の基準

どういう基準を満たせば証券(セキュリティトークン)となるのか? と言う根本的な問いは、現在の仮想通貨世界における最大の関心事のひとつなのです。何故ならば、その基準がまだ無いから、なのです。
それどころか、その「基準作り」に各国政府が頭を抱えているのが現状です。
アメリカでは各種のトークン(仮想通貨)がセキュリティーかどうかを巡って激しい議論が何度も繰り返されています。イーサリアム(ETH)を証券とみなすかどうかについて、米国証券取引委員会(SEC)内でも議論が真っ二つに別れて、大激論が行われたことは有名です。2018年前半の仮想通貨市場では、このSECの議論の行方に一喜一憂したものでした。議論の結果、証券ではないという公式見解となり、多くの人が胸をなで下ろしました。
また、リップル(XRP)はこれまで三度も米国で「証券疑惑」により訴訟を起こされ、三度とも勝訴しています。

このように、どんなトークンが証券なのか?という定義は、2018年現在はまだはっきりしてません。 しかし、早ければ来年中に、遅くとも数年内に、一定の世界基準が制定されると考えられており、実際に各国政府はそのように動いています。

 

2018年現在のセキュリティーの大まかな定義

「基準がない」と書きましたが、大まかな共通認識はあります。
それは「投資かどうか」です。

典型的な証券のひとつが株式であると説明したとおり、証券とは投資対象となることが多いです。
では、投資とは何でしょうか?
次のような基準を満たすものが投資であると判断されます。

投資を受ける側(企業やプロジェクトチーム)の視点では

  • 企業やプロジェクトチームにとって、それが資金調達に当たるか?
  • 企業やチームは、調達した資金を事業によって増やそうとしているか?
  • 企業やチームは、資金が増えた場合に投資者へ還元するか?

 

また出資する側(投資家)の視点では

  • 出資者は、投資した資金を企業やチームが増やして自身に還元することを期待しているか?
  • 出資者は、企業やチームの事業に対して、ほとんど干渉しないし協力(労働)もしないか?

これらの条件のほとんどを満たしている場合は、投資とみなされます。
逆に、これらの条件にほとんど合致しなければ、そのトークンは投資対象ではなく、従ってセキュリティートークンではありません。

例えば、ビットコインはセキュリティーではありません。上の条件をまったく満たさないからです。

  • ビットコインは資金調達に当たるか?
    ビットコインは、完全な非中央集権型組織によって運営されており、開発者達は資金を得ていません。
  • 開発チームは資金を増やそうとしているか
    そもそも、資金ではない
  • 出資者に還元するか
    しないし、できない

また、イーサリアムが証券かどうかについてSECで議論になった、と書きましたが、このときにSECは上記のような基準に照らして検証した結果、証券ではないという公式見解が出されたのです。

上記の基準として有名なもののひとつが「ハウィーテスト(Howey Test)」です。これについては、STOにおいて非常に重要ですので改めて解説します。

(その3へ続く)